先生方に大変お世話になりました。
ほんとうにありがとうございました。
ご出席の先生からご質問をいただきました。
ありがとうございます。
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小規模宅地の特例についてです。
とてもよく戴く質問です。
この特例を適用すれば、相続税基礎控除(非課税)以下となる場合でも、
相続税の申告が要件だから、期限内申告してなかったら、
小規模宅地特例は使えないと、あちこちに書かれているんですが、というご質問です。
うーん、そうとは言い切れないのです。
小規模宅地の特例は、申告が要件とされていますが、
その申告とは、期限内申告書・期限後申告書・修正申告書をいいます(措法69条の4第6項かっこ書き)。
なので、期限内申告書を出さないで、
場合によっては、申告期限後に、
税務署さんからお尋ねを受けてから提出する申告(期限後申告)で特例適用して提出すれば、
それでも適用は可能なのです。
ただし!
小規模宅地特例を適用するには、もう一つ要件があります。
申告期限までに、特例対象宅地等が遺産分割されていることです(同法第4項前段)。
したがって、このポイントについては、2つのケースに分かれます。
1.相続税申告もしていなければ、遺産分割もできていない、あるいは遺産分割できていたけど、それは申告期限後だった、という場合
これは期限後申告では、アウトになります。
2.相続税申告はしていなかったけど、申告期限までに遺産分割協議は成立していて、特例適用宅地の相続登記まで済んでいるような場合
期限後申告書で適用可能です。
遺産分割協議書や相続登記後の登記簿謄本を添付すればよいでしょう。
反対に、このようなケースで、期限内申告していないからと、
期限内遺産分割できているのに、期限後申告で特例適用を自己否認して、
特例適用しないで相続税を払ってしまうとしたら、
それはマズいでしょう。
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これは配偶者の税額軽減(相続税法19条の2第2項・第3項)でも同じです。
来年以降、相続税基礎控除(非課税枠)引き下げにより、
相続税の納税義務者が倍くらいになるとの報道がありました(日経新聞7月27日朝刊)
小規模宅地の特例の適用によって、非課税範囲内になるケースが続出すると思われますが、
その際に、どのようにお客様にガイダンスするかは、とても大事なことだと思います。
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帰りの飛行機、雲の向こうに沈んでいく夕陽です。
その先に、三日月が。
時間軸のグラデーションです。