税理士飯塚美幸のひとことメッセージ

by expresstax

老人ホームとコミッションフィー

 お客様の入居なさっている老人ホームに伺いました。

 今日の目的は別な用件だったのですが、
 先日聞いた話で。

 お客様は、入居前から持病のかかりつけの専門病院に通ってらっしゃいました。
 入居後も、その病院に通院していたのですが、
 老人ホームが、そのホームの提携病院への転院を進め、
 転院を渋るお客様が、従前の病院への通院をお願いしても、
 いい顔をしないのだとか。

 そのホームの提携病院の方が、お客様のかかりつけ病院より近いでしょうから、
 付き添いもラクなのかもしれませんね、と思いましたら、

 どうも、ホーム側が提携病院を勧める理由は、
 提携病院への患者紹介に対する紹介料の支払いにあるのだとか。

 呆れました。

 超大手の老人ホーム会社であり、
 その会社の老人ホームの中では一番高ランクのラインのホームです。
 したがって、入居金や月々費用も高額なんです。
 それがこの、ていたらく。
 
 困ったことだと思います。

 ☆  ☆  ☆

 保険の業界、不動産の業界など、
 紹介者へ払われる紹介料、金額に応じたキックバックなどは、
 我々の業界でも、しばしば耳にします。

 こうしたお客様の目の触れないところで飛び交うお金を
 コミッションフィーと呼んだりします。
 
 でも、それがそのプロの売上の柱になってしまうと、
 プロ自身の、お客様にとって本当にいい病院、適合した保険、良い不動産を判断する目が曇ります。

 昂じてくると、
 より紹介料の高い病院や保険や不動産を、お客様に買わせるようになるかもしれません。
 お客様は、プロを信頼するからこそ、
 勧めに従うでしょうが、
 プロが、お客様ではなく、コミッションフィーに目が眩むとしたら。
 とんでもないことです。

 ☆  ☆  ☆

 昭和バブルの頃は、このコミッションフィーが「実弾」で飛び交い、
 株を、保険を、不動産を、借入させてでも買わせるビジネスが横行しました。

 ひどいケースでは、金融機関が、会計事務所からの紹介客の借入額に応じて、
 数千万円のキックバックを会計事務所に払っていた事件がありました。

 「事件」というのは、その後、債務者であるお客様が借入返済に窮し、破綻して、
 会計事務所を相手取って、損害賠償裁判を起こしたからです。

 弊社は、その債務者様からの依頼で、後処理に関わったのですが、
 あまりにひどい業界構造に、やりきれない思いをしました。

 当時我々が、「バブル倒壊案件」と呼んだ多くの事案の側面には、こんな構造もあったのです。

 昭和バブル時代に、そんなうんざりするケースをいやと言うほど目にしてきました。
 コンプライアンスが重視される昨今は、さすがに、上記のようなケースはないと思いますが、
 まだまだ、根本的には、その思考は、変わっていないようです。












 
by expresstax | 2013-11-05 23:39 | プロフェッショナル