自宅の小規模宅地減額に老人ホーム入居は介護認定前でもOK

 平成25年度税制改正について、立法担当者さんの解説が徐々に始まります。
 その解説文の中に法律・政令では書かれていない取扱がありました。

 いずれ9月か10月に出る国税庁通達に盛り込まれるでしょうが、
 財務省主税局の解説が先行しています。

 そのうち、相続税の特定居住用小規模宅地の240㎡まで8割減の特例。
 自宅の相続では、とても大きな特例です。

 でも、親御様が老人ホームに入居してしまったあとの自宅の敷地にこの特例が使えるか。
 つまり、配偶者が相続したり、
 同居の親族が相続したり、
 空き家になっていて、マイホームを持たない子が帰ってくる予定の場合など、
 自宅が、親御様の居住用だったね、ということでないと、
 そもそも居住用ではないという判断になってしまいます。

 これまで、審判所や裁判所の判断では迷走。
 えーー、なんで???という判決もありました。

 終身利用権付老人ホームは、終身利用できるんだから、自宅に戻らないでしょ、
 戻らない自宅なんか自宅じゃないじゃないの、といった類いの判決文もありました。

 現実には終身利用権付きの老人ホームの数が多いのは、
 終身利用権があるからって、終身利用する義務があるわけでもなく、
 終身利用権付きとして、途中で追い出されないかという不安を払拭するための
 老人ホームの仕組みにしか過ぎないのに、

終身利用権があるからといって、そこを終身利用するとは限らないのは、
所有権があるからといって、そこで暮らすとは限らないのと同じです。
それなのに、終身利用権という言葉だけで、
国税さんや裁判官が決めつけて、
 裁決や判決では迷走を続けていたのです。

実態を知らない、血の通わない、決めつけでした。

 これでは安心して老人ホームに入れない、という嘆きを聞くにつけ、
 せめて、自宅に配偶者や同居のご親族がいるときは、認めるべきではないかと
 
 日本を築いてきてくれた高齢者の介護の選択に水をかける、なんたる仕打ちだと、
 いまいましく思っていたのです。

 今回の改正では、この混乱にストップがかかります。
  
 この特例について、法律や政令では、
1.介護の必要のための入所であって、
2.他の者の居住用・その他の用に供していないときは、
  自宅に居住していたものと認めるよ、とされます。
 平成26年1月1日以降開始相続に適用とされています。

 そして、財務省さんの解説を見ると、さらに一歩進んで、
(1)要介護・要支援認定があったかどうかは、ホーム入所時ではなく、相続開始直前で見るよ、
(2)親御様のお部屋を、賃貸したり、他に転用したり、生計別親族が使ったりしちゃダメだけど、
 生計一親族の居住用にするんだったらいいよ、
 という補足がありました。

 (2)は、親御様が老人ホームに入って、空いてしまうお部屋をお孫様の部屋にするのも、OK、というわけです。

 いやー、これで長年の老人ホーム入居後の小規模宅地減額問題が、すっきりします。
 これまで、論稿や学会の大会報告などで、ルル訴えてきた甲斐がありました。

 ところで、もう一つ。

 何で、平成26年以降やねん?という疑念は残りますね。
 こうした緩和措置の場合は、むしろ改正年の1月1日に遡って適用するなどの取扱が通例です。

 今年の年末までの相続で、迷う人が出てきてしまうのでは、これは困ります。
 こうした事実認定の問題は、もう、即適用とすべきと思います。
 よね。

 ☆  ☆  ☆

 お昼休みの豊川稲荷です。花嫁さんと花婿さんですね。
 おめでとうございます。
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by expresstax | 2013-07-30 23:20 | 相続・贈与


税理士飯塚美幸のひとことメッセージ


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 この職業を選んだのも、たった一度の人生で、いろんなお立場の、いろんな職業のお客様と人生をともにして生きていく素晴らしさと醍醐味を知ってしまったから。
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