平成18年19年にわたって、
親会社から付与されたストップオプションについて3億5千万円の権利行使、
1億3千万円の所得税逃れとして、平成23年9月に、東京地検から立件されていました。
申告漏れ自体は認め、脱税の故意の有無を争点として
東京地裁で争っていたそうですが、
この平成25年3月1日、無罪として東京地裁の判決がでたそうです。
裁判長は、株式報酬の仕組みが複雑であることや、従来から多額の報酬を得て、
源泉徴収されていたと思い込んでいた、との弁護側の主張を認めたんですね。
「被告に過少申告の認識があったと認めるには疑問が残る」として、
罪には問えないと判断した、と報道されています。(以上日経新聞)
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証券会社の当時部長が、ストックオプション課税や
先行する数多のストックオプション税務訴訟について、
全く知らなかったとは、一般的には考えにくいのですが、
ここで思い出すのは、その当時の数多のストックオプション訴訟です。
ストックオプション(自社株購入権)の権利行使時の課税を、
初めは一時所得と解説され、その後給与所得に取扱が改められ、この取扱の変更について、
マイクロソフトや旧コンパックコンピュータの日本法人元役員ら七人が争っていたんですが、
平成18年10月24日、最高裁は、懲罰的な過少申告加算税として、課税処分を取り消しました。
当時、「納税者の質がよかったのだ」、と評論された事件でした。
このクレディスイスの元部長も同様に、「上質の納税者」と見られたのか、どうか。
まだ判決内容は読んでいませんが、気になるところです。
検察は控訴するのでしょうか。これも気になります。