会計検査院の意見書に相続税額の譲渡特例見直しが

 税務署さんだけでなく、お役所にとって怖いのは、会計検査院です。

 会計検査院は、「国会及び裁判所に属さず、内閣からも独立した憲法上の機関として、国や法律で定められた機関の会計を検査し、会計経理が正しく行われるように監督する職責を果たしています。」
 とホームページで紹介されているように、憲法90条で定められた組織であり、権限を持つからです。

 霞ヶ関ランチにぷらぷらと行くと、霞ヶ関ビルと文科省ビルの間が会計検査院です。
 テレビドラマでは、変人集団みたいに描かれてますが、至ってまじめそうな頭のよさそうな人たちが出入りしています。 

 その会計検査院が、ときどき、財務大臣宛にレポートを出します。
 たいがいは、「この制度は節税に利用されているぞ、廃止せいや、わりゃ、いかがなものか」、
 てな内容です。
 
 そしてそのレポートが出された数年後には、税制改正要望にのぼって、
 あるいは、とっても読みにくい状態で、改正大綱に潜んで、
 さらに忽然と、さくっと法案に盛り込まれて、するっと通過していきます。

 新しいところでは、
 平成22年の消費税自販機節税規制は、平成20年度決算検査報告で、
 平成22年の相続税の小規模宅地の減額特例規制は、平成17年度決算検査報告で、
 平成23年改正の定期金の評価改正 は、平成18年度決算検査報告で、
 それぞれ、いかがなものか、と取り上げられて、
 結果、あえなく、改正に至っています。

 税制調査会の有識者さんなど、赤子の手をひねるようなもの、かどうか、
 泣く子と会計検査院には勝てない?という様相です。

 ☆  ☆  ☆

 この会計検査院が10月19日に提出したのが、租税特別措置法39条の相続税を譲渡所得の原価としていいよ、という取得費加算の特例問題です。

 相続から3年10ヶ月以内に相続財産を譲渡した場合に、譲渡税を軽減する制度であり、
 土地については、売らない土地にかかった相続税まで差し引いてくれちゃうんですね。
 大優遇制度なのですが、これは、時代に合わず、優遇しすぎ、と。

 これまでの経緯から考えると、いずれ、規制案が上ってきそうです。

 事務所ニュースでは、この相続税の取得費加算特例の、今のうちの有利な活用法を書きました。

 会計検査院がやり玉に挙げた項目は、その後、国税さんで、税務調査の重点項目として、グリグリとやられたりしているようですから要注意です。

 このちょっと前の10月4日には、消費税の簡易課税制度についてレポートしていますので、
 こちらもそのうち、みなし仕入れ率の問題など、俎上にあがりそうです。
 注意していきましょう。
by expresstax | 2012-10-30 23:23 | 税制改正

税理士飯塚美幸のひとことメッセージ


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