比準要素1の会社にならないための利益金額、そして花水木の実
 以前、ここで自社株評価の類似業種比準価額の計算で、
 比準要素2以上がゼロ、つまり、比準要素数1の会社は、類似業種比準価額が採用できず、
 純資産価額評価となることを書きました。

 特に含みの多い資産を持つ会社様の場合、純資産価額評価が高額になり、
 相対的に低い類似業種比準価額と加重平均することで、
 株価を低くできますが、
 この比準要素数1の会社になってしまうと、それがアウトなんです。

 他にも、株式や土地の保有割合の高い会社・開業3年未満会社・開業前・休業中・清算中の会社が、
 「特定の評価会社」と呼ばれ、同様に、純資産価額評価を強制されます。

 中小同族会社の場合は、純資産はある、配当はしない、会社が多いでしょうから、
 利益がなくなると、あっけなく特定の評価会社になってしまうんですね。
 
 したがって、含みの大きい会社様、資産会社様は、
 赤字にならないように、気をつけていただかねばならないんです。

 では、黒字って、1円でも出てればいいのか、というと、
 そうはいきません。

 自社の直前期末の資本金等の額(法定資本金+資本剰余金)÷50円
 =1株あたり50円とした場合の発行済み株式数を出します。

 そして、この発行済株式数を上回る利益(課税所得から計算するんですけどね)を出せば、
 とりあえず、その期は利益のある会社となります。

 例えばですね。
 資本金等の額=1,200万円の会社が、5万円株で240株だったとしても、
 1株あたり50円で計算すると、24万株発行していることになります。

 だから、その期に、24万を上回って、例えば調整後25万円の所得が出ていれば、
 25万円÷24万株=1.04・・円ですから、晴れて、利益あり、となります。
 反対に、調整後課税所得が、23万円ですと、1円を切ってしまって、利益ゼロとなっちゃうんですね。
 アブナイアブナイ、です。

 この数字の前々期と、前々々期との平均でクリアすることもできます。
 が、どこかでこの利益1円以上を、確保することです。

 ですから、単純に、まずは、自社の資本金等の50円換算の株式数を、覚えておいてください。
 その株数で1円以上の利益は最低出す、と、頭の片隅に入れておきましょう。

 もちろん利益が高ければ、株価も上がりますが、
 自社株の評価を気にして、会社を萎縮させてしまうのはナンセンス!

 自社株の計算だけして終わらせず、
 自社株を、相続税から切り離してしまうための、後継者株保有体制を作ってしまうことです。
 
 知るべき知識を知って、やるべきことを早めにやっておけば、
 伸び伸びと会社を成長していけます。
 がんばりましょう!

 ☆  ☆  ☆

 自宅そばの花水木の紅葉と真っ赤な実です。
 急に冷え込んだ空気の中で色づいていました。
比準要素1の会社にならないための利益金額、そして花水木の実_d0054704_4322128.jpg
by expresstax | 2011-12-02 23:49 | 相続・贈与

税理士飯塚美幸のひとことメッセージ
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 この職業を選んだのも、たった一度の人生で、いろんなお立場の、いろんな職業のお客様と人生をともにして生きていく素晴らしさと醍醐味を知ってしまったから。
 相手を信じて情熱で意気投合してしまう。
 税理士の仕事は、お客様の人生と懐にしっかりと寄り添って、ともに手を携えて生きていくことだと信じる。 

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