ご高齢になって、子供たちが、仲がどうもよくない。
なんとか遺言書をつくって、自分のあとで揉めたりしないようにしたい。
心を痛めていらっしゃってのお話です。
まずは、ご自身の今のお気持ち、お考えを、簡単にでも方向性をペンで箇条書きにしましょう。
それに年月日、署名、捺印をすれば、遺言書第一弾の完成です。
このあと、じっくり財産調査をし、評価や計算をし、
整ったら、きちんと公正証書にもすればよいのです。
ただし、簡単版でも、きちんと版でも、文中に必ず、遺言執行者の指定を入れましょう。
遺言執行者にお願いする内容も書き入れましょう。
こうしておけば、執行者が、相続後の名義変更、財産の換金化など、遺言にそって実施してくれます。
遺言執行者は、相続人様でもなれますが、もし紛糾する可能性が少しでもあるなら、
信頼のおける第三者に、執行者を指定することです。
相続人様が執行者となると、自分でも財産承継をする相続人様が、
遺言に不満を持っているかもしれない他の相続人様に、執行者として対応しなくてはならなくなります。
遺留分を充足して、減殺請求事件にならないまでも、小競り合いが起きることもあります。
これは、とてもつらいことです。
第三者の執行者なら、執行者を引き受けて(就職するといいます)、
相続人様それぞれに、個別に接しながら、遺言の内容通りに、
淡々と、粛々と、執行することができます。
極端には、相続人様同士で、顔を合わせる必要さえありません。
相続税申告の捺印も、申告書を回して輪番で捺印したっていいのです。
いろいろないきさつから仲が良くない場合、
会ってしまえば、要らぬことを言ってしまうこともあるものです。
心ならずも、売り言葉に買い言葉にもなる場合もあります。
全員のことをよく考え思いを込めた遺言の内容を、
第三者である執行者から、きちんと相続人様達に伝えてもらい、要らぬ紛糾を避けてもらいます。
そして、きちんとした手続きの後、
それぞれ新しい人生を、親御様への感謝をもって、歩いて行っていただきます。
なので、必ず執行者を指定してあげてください。
お客様は頷いて、ぜひ先生にお願いします、先生以外に考えられません、と
頭を下げてくださいました。
責任の重い役目です。心して、ご信頼にお応えできるように致します。
まずは、第一歩。進めていきましょう。
☆ ☆ ☆
3度目のエベレスト登頂に挑戦していた栗城史多くんが、
キャンプ4目前の7,800mで登頂断念、下山を開始したそうです。
口惜しいですね。
わざわざ他の登山者より重い装備で、無酸素、単独登頂をめざす栗城くんは、
ほんとうにヘラクレスの選択です。
東京でぬくぬくしているへなちょこヘラクレスが、
原稿と格闘しながら応援しています。