二世帯住宅の相続税小規模宅地特例と税務署の誤指導?、そしてピオーネをありがとうございました。

 このブログで、相続税の小規模宅地の減額特例のうち、
 二世帯住宅の特例について、何度か書いています。
 この日とか、この日とか。

 その記事を読んでくださった読者の方からお電話がありました。
 ありがとうございます。

 お父様がお亡くなりになり、
 税務署で相続税の小規模宅地の特例を二世帯住宅に使えないかと相談したら、
 ダメだと言われてしまった。
 この「資産税の税理士ノート」のブログを見たら、適用できそうなのに、
 どうしたものだろう、とのことです。

 大変でしたね。お悔やみ申し上げます。

 よくお伺いすると、二世帯住宅についての
 租税特別措置法通達69の4-21の要件は全部具備しているようです。
 この通達が救済目的とした、そのものズバリのケースのようです。

 お話を聞く限りでは、税務署さんは、「4月から改正されて、できなくなった」と回答しているようですから、おそらく、

 建物の一部にでも特定居住用宅地等の要件に該当すれば、
 1棟の建物の敷地を最大240㎡まで8割減額できるという、旧法は、
 昨年4月から適用できなくなっていますから、

 税務署さんは、それとカン違いしたのではないか、と推測されます。

 この通達は、平成22年4月改正では、変わっていないのですから。

 税務署でダメと言われて、ご質問者様は、困ってしまって、
 税務署に行ったその足で、税務署の所管の税理士会支部に尋ねて、
 こんど、相続税に詳しい税理士さんの紹介を受けることになったそうなのですね。
 よかったですね。

 ご紹介いただいた税理士先生に、よくお話して、
 的確な判断をしていただくようにしてください。

 もちろん、税務署さんが不適用、と判断する、
 何らかの問題点があったのかもしれませんから、
 そこは、住宅や土地の状況を、登記簿謄本や住民票、間取り図などで
 税理士先生に直接よく見ていただいて、ご助言いただくことです。

 そのうえで、やはり適用できるのであれば、
 税務署の窓口の担当官にも、もう一度、この通達を示して、確認してみてください。
 相談の記録は、税務署さんで保管されますから、放置しないほうがいいと思います。

 小規模宅地の特例について、二世帯住宅の相談を受けて、
 この通達を知らずに対応するとしたら、それは、税務署さんの不備でしょう。

 また、通達を確認したうえで、かつ、制度改正でダメだ、というようであれば、
 それは、税務署さんの新制度についての誤解釈です。
 
 どちらにしても、「ご指導」を受けるつもりが、「誤指導」を受けるのでは、
 シャレになりません。

 この通達は、なお書きで、「同居者として申告すれば、それを認める」という、
 いわゆる申告要件としています。

 「誤指導」で諦めて、特例適用しない申告をしてしまったら、そこまでです。
 救済はありません。

 お父様とご質問者様が生活を築いてこられた大切な土地です。
 その特例について、よくよく納得して調べて、不利益を被ることのないようにしてください。
 がんばってくださいね。

 ☆  ☆  ☆

 それにつけても、
 こうして、ご自身で税務署に赴かれ、
 税務署さんに事前相談し、ダメ、といわれてしまって、
 諦めてしまう方が、もっともっといるのかもしれません。

 継続審議になっている相続税増税法案は、遺産3千万円台でも相続税課税対象とする
 大衆課税法案です。

 この法案が通ってしまえば、
 場合によっては、遺産額が少ない方の中には、
 専門家のお世話になれずに、税務署さんへの相談だけで申告する人もいるかもしれません。
 専門家報酬のコストパフォーマンスから、そうした選択もでてくるでしょう。
 
 小規模宅地の特例が適用できれば、税額ゼロにできるのに、
 特例適用、ダメ、といわれて、
 むざむざ、払う必要のない税金を払う人々が増えていくのでしょうか。

 これだけ複雑になってしまった税制のなかで、
 そのような方々が、一人でも少なくなるように、
 我々税理士が、がんばらねば! と思います。(^o^)/

 ☆  ☆  ☆

 お客様から、今年も、ぶどうをいただきました。
 とても大きな粒で、甘みの濃い、素晴らしいピオーネです。
 ありがとうございました。
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by expresstax | 2011-09-15 23:11 | 相続・贈与  

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