中山先生は、不動産データ会社の東京カンテイの上席主席研究員という
不動産データのプロ中のプロです。
以前、講演でご一緒させていただいたことから、時折、ご指導をいただいています。
(ありがとうございます。)
タイトルが、「住まい、『終の棲家』から『ヤドカリ型』へ」とありますが、
ちょっと趣が違いました。
テーマは、マイホーム、それも、東京カンテイさんですから、
マンションのPERと、PBRが、マンション価値を決める、というお話です。
それぞれ、
PER=price earnings ratio(プライス・アーニングス・レシオ)=株価収益率
=株価÷純利益
PBR=price book-value ratio(プライス・ブックバリュー・レシオ)=株価純資産倍率
=株価÷純資産額
という投資数値です。
これが、マンションになると、
PER=マンション購入価格÷近隣年賃料=低いほど、買い得。
首都圏の平均は、23.75。
賃貸で、23.75年で回収可能ということでしょうか。
PBR=中古物件価格÷新築価格=高いほど、市場性が高い。
首都圏の平均は、0.94。
新築に比べての値下がり割合は、低いとみるのでしょうか。
上記の数値がともにいいのは、銀座一丁目。
銀座1丁目が、PER=12.22、PBR=1.44 だそうです。
つまり、賃貸投資であれば、表面では、12年で元金回収ができ、
中古の方が新築より約4割高いと。
いわゆる運用と「出口」に適した物件となるということですね。
そして郊外ほど、数値が悪くなり、10年も経つと半額でも売れない、
同じに郊外に住むなら、最初から買わずに、賃貸の方が資金を抑えられる、とのことです。
これが、タイトルの、初めから終の棲家とがんばらないで、
若いときは郊外の賃貸で安く住み、
ライフステージによって、資産価値の高いものへと、転換していけ、と繋がります。
これだけ聞くと、従来の日本型マイホーム住み替え法のようですが。
つまり、昔からよくいう、ホウソウトウバン。
方(間借り)→荘(アパート、ここまで賃貸)→棟(マンション)→番(戸建)
を踏んでいるような。
でも、この棟→番が、住宅過剰の今では、
番(子育て環境のいい郊外の貸家)
→棟(子供がお受験に突入し、働き盛りのときは、都心部の利便性の高いマンション)
→号(ケアのいいゆったりとした老人ホーム)
となっているような、ですが。
PBRとPERは、投資の際に、電卓を叩いてみたいですね。