路線価公表と、特定路線価

 今日は、待ちに待った?平成23年相続税路線価の公表日でした。

 今年の相続や贈与の案件は、みな平成22年路線価で試算のうえ、
 23年路線価に置き直すばっかりの状態でスタンバイしていました。
 
 朝から、さっそく各案件の路線価図を、がしがし、ダウンロード。
 ◎◎円下がっただの、こちらは△△円だの、やっていました。

 さっそく事務所ニュースも発行。
 ついでに、昨日ご質問を受けた特定路線価関係についても、ニュースに入れちゃいました。

 ☆  ☆  ☆

 相続税路線価は、その路線に接する宅地の㎡単価のもととなる数字です。
 これに、土地の地形に応じ、補正をしたうえで、評価額を算出しますが、
 この路線価は、おおむね、その年1月1日の国交省調査の地価公示価格の8割水準で決められます。

 1月1日以降、年3割以上下落した場合などは、特別な手当がされ、
 特に今年は、3月11日に東日本大震災が起きましたから、
 その調整が行われるはずでした。
 
 これについても、一緒に取扱が公表されました。
 被災した指定地域は、特定土地等として、
 路線価に、調整率をかけて算定する「震災後を基準とした価額」で評価します。
 震災特例法により、震災前の相続や贈与についても、調整率評価によることができます。
 ただ、この調整率って、10月か11月にならないと決まらないんですね。

 特定土地等とは、青森等被災県・福島・茨城・栃木・千葉県全域と新潟長野の一部ですから、千葉県の液状化地域の評価などは、調整率の決定待ちになります。

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 ところで、路線価について、税理士先生からご質問がありました。
 ありがとうございます。

 実は、国税庁の公表路線価図では、路線価の付されていない道がたくさんあります。

 路線価が付されていない道(私道)に接する宅地については、特定路線価の申請をすることになっているが、最近は、建築基準法上の道路でないと、特定路線価がつけてもらえず、つきかえされるそうだ、道路には、建築基準法の道路に限らず、みな路線価がつけられているのに、これはおかしいのではないか、とのご質問の趣旨です。

 ちょっと、整理してみましょう。 

 そもそも、路線価とは、「宅地の価額が概ね同一と認められる一連の宅地が面している路線(不特定多数の者の通行の用に供されている道路をいう)毎に設定する」(財産評価基本通達14)のです。
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財産評価基本通達14 路線価
前項の「路線価」は、宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線(不特定多数の者の通行の用に供されている道路をいう。以下同じ。)ごとに設定する。

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 つまり、路線価が付されるのは、公道又は不特定多数の通行する私道だけです。
 それ以外の道に路線価がついているとしたら、その路線価は、通達に従えば、インチキだ、ということになります。

 にもかかわらず、実は、昭和バブルの頃に、な~ぜか、
 全国の私道の津々浦々まで路線価が付けられた時期があったんです。(^o^)

 思うに、当時、仮路線価(現在の特定路線価)を申請した翌年以降は、
 それが路線価図に掲載されて、そうした路線価が増えていったようなんですね。
 つまり、私道に、ぺたぺたと、路線価がつけられまくった。

 これは、当然、おかしいのです。

 近年見直され、袋地私道などの路線価は、徐々に消されていますが、
 まだまだ、消しこぼれも多いようです。

 「不特定多数の者の通行の用に供されている道路」でもないのに、
 自分ちの私道に路線価がついていたら、
 「はずせ!」と言えるんじゃないでしょうか。(^^)

 このあたりが、道路にはみんな路線価がついている、あるいは、つくべき、
 という誤解があるように思いますが、通達に戻っていただくことです。
 
 ☆  ☆  ☆

 ところで、特定路線価です。
 これにも、ちょっと書きますね。

 路線価のついてない私道に面する土地の評価については、2通りです。
①原則通り、財産評価基本通達に従って、路線価のついた道からの不整形地として評価する。
②所轄税務署への「特定路線価設定申出書」により、私道に個別に路線価を付してもらう。(財基通14-3)
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財産評価基本通達14-3 特定路線価
 路線価地域内において、相続税、贈与税又は地価税の課税上、路線価の設定されていない道路のみに接している宅地を評価する必要がある場合には、当該道路を路線とみなして当該宅地を評価するための路線価(以下「特定路線価」という。)を納税義務者からの申出等に基づき設定することができる

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 原則は①。

 また、特定路線価申請をしても、その私道が二項道路や位置指定道路のような建築基準法上の道路でない場合は、宅地の一部として原則通りでやりなさい、という指導を受けるはずです。

 それに、特定路線価を税務署が出すと、近隣公道に比準するため、概ね高額になるようです。
 法的に道路扱いされない敷地延長を、公道と同様に路線価を付けるのは不合理ですよね。
 何でもかんでも、税務署さんに頼るのは、いい習慣ではありません。
 申請の際はよく検討することです。

 また、路線価図は、異なる用途地域間の道路なのに同じ価格しかついていないなど、
 ミスや調査不足も多いのです。とにかく全国の膨大な作業ですから、大変ですよね。
 これは申し出れば見直されますが、気づかずにミス路線価を使っているケースって多いです。
 気をつけましょうね。

 そんなこんなで、路線価について、今日は、一日、おおわらわでしたとさ。(^^ゞ

by expresstax | 2011-07-01 23:31 | 不動産  

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