その畑村先生が、日経ネットで、「『失敗学』から見た原発事故」というコラムを書いています。
そして失敗の記憶には、法則性があり、
「個人は3年で忘れ、
組織は30年で途絶え、
地域も60年で忘れる。
歴史的な事象も300年で社会から消え、
1200年たつとその出来事が起きたことさえ誰も知らなくなる。」としています。
要旨は、つぎのようです。
1.田老町の新しい堤防は今回破壊されたが、昭和8年の堤防は、原形をとどめている、
新しい堤防は、海に向かって真正面に建設されたが、
昭和8年の堤防は、斜めに建ち、津波の圧力を、逃す設計となっていたからだ。
2.田老町の古い水門は、あえて電動とせず、手動で開閉され、今回も機能したが、
福島第1原発は、ほとんどの電源が津波で失われ、
原子炉を冷却できなくなり、事故となった。
3.安全性の実現手段は、危険を回避する「制御安全」と、
事故が起きても、安全に機能する「本質安全」がある。
4.原発事故は、スリーマイルは、人的なヒューマンエラー、
チェルノブイリは、いったん制御が外れると元に戻らない発散系エラー、
福島第1原発は、津波という自然現象による事故、
今後は、テロによる事故、
偶然に2つの失敗が重なる事故が、考えられる。
これらに対処すべし。
☆ ☆ ☆
「アウトオブコントロール=制御不能」になる事態を、どこまで想定し、
防ぎ、それを、進歩の糧としていけるか、
プロの仕事の仕方として、参考になります。
☆ ☆ ☆
事務所で花火大会のお話を、ワイワイとやっていて。
東京湾花火大会は、中止になったけど、
隅田川の花火大会は、やるそうで。
もともと隅田川の花火大会は、全国の花火大会の発祥だそうで、
「江戸ではコレラが猛威を振るい多数の死者を出した暗い世相の中、
将軍吉宗が死者の慰霊と悪霊退散を祈り両国大川(隅田川のこと)の水神祭りを催し、
それに合わせて大花火を披露し、これが隅田川川開きの花火の起源になった」のだそうです。
(Wikipediaから)
慰霊が発祥であれば、花火もよさそうなんですが、
夜の節電による電車地下鉄の混乱防止から、
対応が分かれるのも、仕方ないのかもしれないですね。
かと思うと、我が出身地静岡では、安倍川の花火大会は、
3月にいったん中止を決めながら、開催へと、さくっと方向転換。
いやあ、さすが静岡気質。
柔軟というか、日和見というか、是々非々というか。(笑)
家康様の隠居地の、面目躍如です。