相続税の大衆課税化で何が起きるか

 相続税についての取材、講演依頼が続きます。

 それぞれ、相続税の小規模宅地の減額が厳しくなり、
 非課税基礎控除が下がることで、何が起きるだろうか、という議論になります。

 実務からいえば、これまで相続税申告に縁がなかった人々までが、
 相続法や相続税法に触れ、専門家に依頼するなり、自分で首っ引きで調べるなりして、
 アプローチせざるを得ない状況が生まれるでしょう。

 専門家も、これまで企業経理を専門にしてきた先生が、
 顧客確保のために、相続税申告を受任する、なんてことも増えるでしょう。

 ☆  ☆  ☆

 相続税の申告期限は、亡くなった日から、実質10ヶ月です。

 もともと、家庭裁判所の調停に持ち込まれる相続争いが一番多いのは、
 相続税がかからないレベルのケースなのですから、
 そうした波乱含みのご家族が、相続税申告までやらなければならなくなります。

 そして、10ヶ月以内という相続税の申告期限があり、
 ということになると、想定されるのは、
 なしくずしの法定相続分分割か、未分割での相続税申告です。

 従来の相続税申告でも、法定相続分相続というのは、夥しくありました。
 土地が、みんな子供の数で、四分の一や五分の一の共有になっているパターンです。

 ほったらかしにしたり、
 揉めたり、
 その帰着点が、法定相続分相続です。

 不動産が共有状態となれば、全員の合意がないと、
 売ることも、貸すことも、建てることも、担保にすることもできなくなります。
 子供が高齢化すれば、いずれ再権利調整しなければならなくなります。

 こうした経験のない相続人様を、
 経験の薄い税務専門家が、担当したら。

 夥しい法定相続分相続になだれこんでいくご相続が、ぞろぞろと出てくるのではないか。

 そんな懸念について、記者さんたちにお話ししました。

 講演でも、実務上の問題として、税理士先生達にお話しすることになりました。

 制度の改正は、いろいろな形で、波紋を呼びそうです。

 ☆  ☆  ☆

 そんななかで、国会での予算審議は、さらに波乱含みのようです。
 日切れ法を含め、はたして、どう展開していくでしょうか。

by expresstax | 2011-02-16 23:46 | 相続・贈与  

<< 主人公は承継者様、そして美しい... いよいよ確定申告、そしてお土産... >>