贈与税の最高税率引き上げと所得税率、そして不動産日記手帳

 平成23年度税制改正のうち、所得課税と資産課税の最終とりまとめが出ました。

 http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/pdf/22zen21kai1.pdf

 相続税の増税、特に最高税率50%→55%に併せて贈与税の最高税率も、55%になっています。
 つまり、従来なら1千万円超で50%税率が適用されていたものが、
 3千万円超で50%に達しますから、ここまではとりあえず減税。

 しかし、従来は、1千万円超は、とにかく50%税率だったものが、
 3,000万円超えたら、55%に。
 この部分が、増税になるんですね。

 今回、20歳以上の子や孫については、税率引き下げが働くので、
 55%税率に達するのは4,500万円超になりますが、

 それでも、高額贈与は、現行より増税になることは変わりません。

 ときには、やむをえない事情で、億単位の贈与を実行することもありますが、
 こうした場合に、減税、というわけにはいかないということになります。

 また、これまでの税法では、最高税率議論について、
 所得税と相続税、贈与税の最高税率は、足並みを揃えてきました。

 ところが、今回、相続税と贈与税の最高税率が55%になるものの、
 所得税の最高税率見直しは、入っていないようです。

 従来と法理論の組み立てを変えていくのでしょうか。

 ☆  ☆  ☆

 また、孫も相続時精算課税贈与制度の対象に、これも決定です。

 そうすると、そもそも消費狙いで先行贈与をさせるのだから、
 精算贈与でもらった孫が、ぱっぱっと、政府の政策どおりに消費してしまった。

 さて、おじいちゃまの相続が起きた。
 先行贈与で、相続税の課税対象になり、相続税の負担者が、当の孫に、となった場合、
 でも、納税資金なんて、残ってないよ-、と。

 その場合、相続人である孫のお父さんやおじさんが納税してあげるとすると、
 てな流れになるのでしょうか。

 このあたりは、現行税制でも、同じ問題はあったわけですが、
 孫に、と拡大されるならば、可能性が極めて高くなります。
 
 同時に進行している連帯納付義務の法改正は、
 必然的な議論なのかもしれません。

 法改正、どのように規定されていくのか、
 注意して見てみましょう。 

 ☆  ☆  ☆

 税制について監修させていただいた住宅新報社さんの不動産日記手帳です。
 著者版をいただきました。
 ありがとうございました。
d0054704_10542626.jpg
by expresstax | 2010-12-15 23:25 | 税制改正

税理士飯塚美幸のひとことメッセージ


by expresstax