物納後の埋設物撤去の取扱変更   

2010年 04月 22日

 物納が収納になってから数ヶ月。

 物納した土地に、埋設物が見つかった、とのことで、納税管理官から連絡がありました。

 当初から想定していましたから、来たか、です。

 いったん、物納財産が収納されても、
 土地などについて、後日、国が所有権移転後に、地質調査をして、
 埋設物があったり、土壌汚染があったりした場合は、
 それを修復して、改めて収納許可となります。

 国は、埋設物調査までしていると、物納許可の期間に間に合わず、
 下手をすると、みなし許可を与えなくてはならなくなるので、
 こうして、調査に時間のかかる埋設物や土壌汚染には、別段の法律を定めて、
 収納後に、差し戻すことができるようにしているのですね。

 特に、土壌汚染など想定される場合は深刻ですから、
 許可段階で『条件付き許可』とすることで、
 物納許可から5年以内に地下埋設物や土壌汚染等が発見された場合は、
 納税者負担で撤去することができなければ、
 物納許可が取り消され、本税と、遡った延滞税を一括納付することになり、
 リスクの一切は、納税者に負わせようという制度になっています。

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相続税法42条19項以下
19 税務署長は、第2項の許可をしようとするときは、当該申請者に対し、1年を超えない範囲内で期限を定めて廃棄物の撤去その他の物納財産を収納するために必要な措置をとることを命ずることができる。
21 税務署長は、第19項の措置をとることを命じた場合において、当該措置が同項の期限(次項の収納関係措置期限延長届出書が提出されている場合には、第23項に規定する期限)までにとられないときは、第2項の規定により物納の申請の却下をすることができる。

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 以前は、こうした場合、納税者に埋設物の存在を確認させたうえで、
 国が業者を使って埋設物撤去を行い、
 その請求書を納税者に送りつけてきて、
 納税者がその費用弁償した場合に、収納許可としていました。

 ところが、平成18年4月の物納制度改正で、
 この取扱が、変わったのですね。

 つまり、以前なら、国が工事して、その請求額を、納税者は有無を言わさず払わされていたんですが、

 平成18年4月改正以降は、
 国の埋設物調査に基づく工事仕様にしたがって、
 納税者が自分で工事業者を手配して工事し、
 それでオッケーなら、国は収用、

 もし、納税者が工事できない場合にのみ、
 従前のように、国が工事してその費用を納税者に負担させる、
 という流れになったんだそうです。

 国が業者を手配することについて、
 随意契約の排除など、いろいろ問題があったのかもしれません。
 公的立場の省庁が、特定業者と特定契約を結ぶことは、
 現在、とても厳しく監視されているからです。

 このあたりのことは、法律や手引きでも、明文的には書かれていないそうです。

 強いて言えば、次の表現でしょうか。 
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相続税法基本通達42-14 許可の条件
② 通常の確認調査等では土壌汚染等の隠れた瑕疵がないことが確認できない場合
・・・瑕疵が判明した場合には当該瑕疵を除去等すること(土壌汚染の除去、地下埋設物の撤去や国が除去等を行った場合の当該除去費用の支払など)

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 お話を聞いて、お客様と、よかったですねぇ、と喜んだのですが、
 さて、これから工事業者さんを手配しなければなりません。

 当然、国が扱うより、
 こちらで手配する民間業者さんの方がリーズナブル、という期待があるからです。 
 
 このあたりが、実務の面白いところです。
 ご担当の東京財務事務所の担当官さんも、とても親切です。

 お客様にとっては、最後の最後のツメです。
 がんばりましょうね。 p(^_^)q

by expresstax | 2010-04-22 23:03 | 相続・贈与

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