社長借入、社長貸付・1、そして桜坂   

2010年 03月 29日

 ご同族の法人さんの決算を見ていると、
 経営ご親族との資金やりとりが、財務諸表で現れてきます。

 例えば、社長借入。

 社長が、社業のために、自己資産を、注ぎ込んでいるんですね。
 社長の貸し込みで、法人が、返済できずにいる状態。
 社長への役員報酬や、賃料などが、未払でいる状態。
 そんなのが、社長「短期借入金」などの勘定科目で表現されています。

 では、これに会社は利息をつけるか。

 結論から言えば、利息を付す必要はありません。

 仮に、会社が、社長に対し、利息を払うとすると、

 支払利息××  現預金 ××

 受け取る社長サイドでは、
 受取利息について、確定申告で、雑所得課税を受けます。

 同族間での資金移動にすぎず、外部からお金が入ってくるわけでもないのに、
 社長の所得税だけが増えて、外部(国税)に、キャッシュアウトします。

 ☆  ☆  ☆

 では、会社が、社長からの借入について、無利息としたら。

 会社は、利息支払いを免除受けたと経理したとすると。
 
  支払利息 ××  / 受贈益  ××

 結果、プラスマイナスゼロなんですね。

 社長サイドでは、

 利息を受けていないので、雑所得課税はありません。
 
 ここが、個人である社長と、法人の、概念の違いです。

 所得税法では、「収入なきところに課税なし」の思想を根底にしています。

 例外として、時価の1/2未満での法人への譲渡の場合の、
 みなし譲渡課税(所得税法59条)があります。

 また、ずいぶん前になりましたが、パチンコ会社の平和の事件では、
 巨額な社長借入に対する利息認定が行われたことがありましたが、
 あれも、いわば別件逮捕です。

 所得税の世界では、原則としては、キャッシュデリバリーを伴わない収益認識はしないのです。
 
 結果として、無利息での社長借入が可能となるんですね。

 またこれは、同族からの会社への資金の貸し込みは、
 いわば、出資の補填の性格が強いものであるともいえるというのも理由です。

 ☆  ☆  ☆
 
 では、社長貸付は?

 これについては、また次に。  
                             to be continued

 ☆  ☆  ☆
 
 赤坂1丁目の全日空インターコンチホテル脇の、桜坂です。
 桜は、2分咲きというところでしょうか。
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by expresstax | 2010-03-29 23:08 | 法人税

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