父母・祖父母からの住宅取得資金の贈与特例、同族法人からの取得は?

 平成22年度税制改正で、父母祖父母からの住宅取得資金贈与の500万円非課税特例(措置法第70条の2)が、1,500万円まで拡大されます。
 23年になると1,000万円に、また縮まります。

 お客様からのご質問です。

 この贈与特例は、同族の特別関係者からの取得は規制されているんだけど、
 同族法人だったらいいの?
 
 というものです。

 現行の500万円非課税規定では、マイホームの取得先で、認めない対象として、
 特別関係者を次のように定義しています。
 つまり、贈与を受けても、配偶者や兄弟などから購入するんじゃダメだよ、ということです。
 親族間で、お金のぐりぐり回しができちゃうからです。
=============================
租税特別措置法施行令第40条の4の2⑤
 法第70条の2第2項第5号に規定する政令で定める者は、次に掲げる者とする。
一 当該特定受贈者の配偶者及び直系血族
二 当該特定受贈者の親族(前号に掲げる者を除く。)で当該特定受贈者と生計を一にしているもの
三 当該特定受贈者と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者及びその者の親族でその者と生計を一にしているもの
四 前3号に掲げる者以外の者で当該特定受贈者から受ける金銭その他の財産によつて生計を維持しているもの及びその者の親族でその者と生計を一にしているもの
=============================

 ここには、同族法人はありません。
 だから、おそらく、今度の拡大規定でも、同族法人は、規制対象外となるのではないでしょうか。

 また、相続時精算課税制度での住宅取得資金贈与1,000万円割増特別控除の規定(措法70の3)でも、
 マイホーム取得先の制限は、下記の対象者、つまり、500万円非課税対象者と同じなんですね。
=============================
措置法政令40の5⑤ 法第70条の3第3項第5号に規定する政令で定める者は、次に掲げる者とする。
一 当該特定受贈者の直系血族
二 当該特定受贈者の親族(配偶者及び直系血族を除く。)で当該特定受贈者と生計を一にしているもの
三 当該特定受贈者と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者及びその者の親族でその者と生計を一にしているもの
四 当該特定受贈者の配偶者及び前3号に掲げる者以外の者で当該特定受贈者から受ける金銭その他の財産によつて生計を維持しているもの及びその者の親族でその者と生計を一にしているもの
=============================

 この相続時精算課税制度は、23年から父母祖父母からの贈与非課税特例に道を譲って、
 廃止になります。だから、要件が全く変わらないとは、言い切れないんですが。

 ところで、お客様が、法人でもいいの?と聞かれたのには、もしや、所得税の譲渡課税が、
 意識に上られたのではないでしょうか。

 つまり、マイホームの譲渡の特例で、軽減税率や、3,000万円控除の譲渡先、
 マイホームの買換の特例での取得先について、特別関係者が、やはり除外されているのですが。
 その除外対象に、同族法人が入っているのです。
 つまり、マイホーム譲渡や買換のときは、同族法人相手では×になるのです。

===========================
措置法政令第20条の3 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例
 法第31条の3第1項に規定する当該個人と政令で定める特別の関係がある者は、次に掲げる者とする。
一 当該個人の配偶者及び直系血族
二 当該個人の親族(前号に掲げる者を除く。以下この号において同じ。)で当該個人と生計を一にしているもの及び当該個人の親族で次項に規定する家屋の譲渡がされた後当該個人と当該家屋に居住をするもの
三 当該個人と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者及びその者の親族でその者と生計を一にしているもの
四 前3号に掲げる者及び当該個人の使用人以外の者で当該個人から受ける金銭その他の財産によつて生計を維持しているもの及びその者の親族でその者と生計を一にしているもの

五 当該個人、当該個人の第1号及び第2号に掲げる親族、当該個人の使用人若しくはその使用人の親族でその使用人と生計を一にしているもの又は当該個人に係る前二号に掲げる者を判定の基礎となる所得税法第2条第1項第8号の2に規定する株主等とした場合に法人税法施行令第4条第2項に規定する特殊の関係その他これに準ずる関係のあることとなる会社その他の法人
=============================

 そして、実は、平成17年12月末までは、5分5乗方式の住宅取得資金贈与の特例がありました。
 550万円(110万円×5年分)まで非課税、1,500万円まで特例計算する贈与税制です。

 ここでは、同族からの取得がフリーハンドでOKだったんです。
 先に書いた、親族間でのお金のぐりぐり回しができちゃったんです。

 これが廃止され、相続時精算課税制度の住宅取得資金の特別控除が入って、同族からの取得に制限がかかり始めたんです。

 ややこしいですね。
 変遷していますので、変遷過程でよく整理してみないとコンガラガリそうです。
 でも、大切なマイホーム資金贈与、事故にならないように進めましょう。

 とても良いご質問、ありがとうございました。
by expresstax | 2010-02-04 23:24 | 相続・贈与


税理士飯塚美幸のひとことメッセージ


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