駆け込みの定期金贈与

 平成22年度税制改正で、相続税法24条の定期金の評価方法が改正されます。
 定期金の場合は、相続・贈与時に、圧縮評価される制度が、
 解約返戻金という時価評価へと、整備される改正です。

 従来、保険会社さんがそのような定額年金保険を販売して、「節税商品」として販売していました。

 これで規制になるのかな、と思っていましたら、
 駆け込みでの商品販売が始まっているようです。

 お客様のところに送られてきた「提案書」には、
 定期金評価を使った「駆け込み」対策が提案されています。

 いわく、数千万円の一時払いの36年間の保証期間付き終身定額年金保険です。
 契約から受給開始までの据置期間は、ゼロ年、つまり、契約、即、受給開始、贈与、という商品です。
 すごいなあ、とビックリしました。

 今回の改正では、今年、つまり、平成22年3月末までに契約し、
 平成23年3月末までに年金受給開始ができれば、
 旧評価、つまり、年金受給総額×20%で評価して、贈与できるというものです。

 例えば、1億円の現金が親御様にあった場合、
 全額をこの年金契約に投入すれば、
 初期手数料4%=400万円を差し引いた9,600万円が年金原資とされ、
 そこからの運用を含めた年金受給額総額、例えばそれが1.2億円とすると、
   1.2億円×0.2=2,400万円 の評価額になります。

 これを相続時精算課税制度で贈与すれば、当面、2,500万円の特別控除の枠内で贈与でき、
 相続の際に、他の相続財産と合算されるのは、2,400万円だけ、
 現金1億円との差額7,600万円は相続税の課税対象外となってしまう、
 という、「節税策」です。

 確かに、今なら、デキちゃいそうです。

 保険会社さんからすれば、一時金を、入口でがつんと受け取って、
 残り36年間で、とろとろと支給していけばいいんですから、
 こんなに都合のいい商品はありません。

 んじゃ、これで否認されるリスクは?ということになるのですが、

 今回の改正では、経過措置を敷いて、
 平成22年4月や、平成23年4月から新制度、という期間を設定しているのですから、
 それ以降の契約や贈与としなければ、否認しにくそうです。

 法律が国会成立する予定の平成22年3月前に規制することはできないでしょうが、
 もし、全面規制するつもりなら、
 平成22年4月以降の相続贈与では全て新制度、としてしまえばよいわけで、
 ここは、もしや、何らかの保険会社との政治調整などがあってのことかもしれません。(笑)

 とはいえ、この時期、こうしたお話が出てきます。
 確かに、この時期を逃すと、二度と、旧評価は使えなくなってしまうのですから、
 お客様も迷われて当然です。
 慎重に対応しましょうね。
by expresstax | 2010-01-28 23:24 | 相続・贈与

税理士飯塚美幸のひとことメッセージ


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