以前に書いた配偶者居住権の設定の件です。
配偶者居住権は、配偶者は、居住建物を所有せずに、
無償使用や使用収益できるという権利をいいますが、
ただし書きがあって、
「ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあっては、この限りでない。」とされています。
なので、例えば、従来から自宅を被相続人と長男が共有していたような場合には、
被相続人持分について、長男が所有権を取得し、
配偶者が配偶者居住権を設定する、
ということはできません。
しかし、従来から自宅を被相続人と配偶者が共有していて、
被相続人持分の所有権を長男が取得、
そこに配偶者が配偶者居住権を設定する、
のならOKです。
相続税法の特例で、
婚姻20年以上の夫から妻へ
2,000万円までは居住用財産や取得資金を贈与をしても、
贈与税は非課税(相続税法21条の6贈与税の配偶者控除)という、
いわゆるおしどり贈与を実行なさっているご夫婦は多いですが、
結果的に、夫と妻とが共有で所有しているわけです。
その場合は、贈与していなかった夫の持分について、
夫の死後、配偶者居住権を設定することは可能です。
お客様からのオーダーは、
既に配偶者は共有持分を持っている状態で、
遺産分割で、
配偶者と他の相続人が所有権を共有相続、
他の相続人の持分に、配偶者居住権を設定する、ということが可能か、です。
結論は、OKなんですね。
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配偶者様が、相続で財産を取得しても、
遺産を法定相続分か1.6億円分までは配偶者の税額軽減で非課税、
他の相続人様の取得が多くなると、納付税額は増加します。
その調整が課題となるところです。
ご検討の結果、
配偶者様は相続取得せず、
被相続人様持分は全部他の相続人様が取得、
その部分に配偶者居住権を設定することになりました。
で、
次に配偶者様のご相続、つまり二次相続時に、
配偶者居住権の評価残額があっても、
配偶者の死亡により配偶者居住権は消滅、
所有権は一次相続で他の相続人様のもの、
というわけで、
二次相続での、ご自宅の課税対象は、
過去に贈与を受けていた配偶者様持分のみ、となるわけです。
路線価が急上昇している現在、
有効な二次相続対策となります。
様々に税務シミュレーションを繰り返して、
弊社も、大変勉強させていただきました。
ありがとうございました。
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自宅マンションの近くに、赤坂氷川小学校、今は区立の学童保育所なんで~もやサンサン赤坂という特別養護老人ホームにがあります。
そのなんで~も側に、大きなイチョウの木があって、
みごとな黄葉を見せています。
枝がむき出しになった部分には、
イチョウの木の下には、子弟の像として、
平成28年に建立された勝海舟と坂本龍馬の銅像があり、
時々、観光の団体客さんが、ガイドさんに率られて、
神妙なお顔で説明を聴いていたりします。
この氷川小学校跡地は、もともと勝海舟邸があったのだそうです。